皮膚科
大学病院ですが、近隣に皮膚科がなく、地域に根ざした病院のため、皮膚の病気全般を対象に診察を行うことを基本としています。また、スタッフのサブスペシャリティを生かすようにも努めています。診断の困難な疾患に対しては、血液検査や皮膚生検をはじめとする精査を施行し、正確な診断、適切な治療へと進めるように努力をしています。皮膚病変は外からよく見えるため、一般人でも観察可能で、周りから脅かされたりすることもあり、いろいろと心配となる臓器です。ただ、見ただけですぐわかる疾患と見ただけでは診断がはっきりしない疾患も少なくなくそういったものには内臓疾患と関連したものが少なくありません。以下は具体的疾患です。
湿疹・皮膚炎群(アトピー性皮膚炎、かぶれなど)、蕁麻疹、全身型金属アレルギー
皮膚科にとって最もポピュラーな疾患群です。外用剤や内服薬による治療はもとより、可能な限りにおいて原因検索を行います。紅皮症や痒疹等難治病態もあります。金属の貼付試験を含め各種貼付試験を行います。
感染症(蜂窩織炎・帯状疱疹・真菌感染など)
大変ポピュラーな疾患です。難治例は顕微鏡検査や各種培養検査、組織検査などを行い、診断を確定させます。蜂窩織炎と思っても異なる疾患も少なくなく留意が必要です。入院治療が必要な重症例にも対応しています。
皮膚外科(良性腫瘍、皮膚がん、褥瘡、難治性皮膚潰瘍など)
腫瘍については診断が重要です。視診やダーモスコープ(拡大鏡検査)のみで診断が困難な場合は、皮膚生検を行い病理組織学的に検討を行います。診断結果により、外科的切除・冷凍凝固法など最善の治療法を選択します。下腿潰瘍もどうしてできたかが重要で治療法が異なります。褥瘡や難治性皮膚潰瘍の治療については、急性期重症患者は短期間入院の上コントロールを行い、外来での治療につなげます。
自己免疫疾患(自己免疫性水疱症、膠原病・関節リウマチの皮膚症状(潰瘍を含む)、血管炎など)
最近増加傾向の疾患です。経験症例が豊富です。重症の水疱症については、入院の上、内服ステロイドや免疫抑制剤治療を行います。膠原病や血管炎に伴う皮膚症状について、精査・加療を行います。膠原病や血管炎に基づく皮膚潰瘍については、外用剤治療と併せて、ステロイド内服や循環改善薬による治療を行います。関節リウマチに関しては皮膚病変からのアプローチが主体となります(悪性関節リウマチ等)。
尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性関節炎
皮膚科ではポピュラーな疾患ですが、重症となると慣れたプロの目が必要です。通常の外用療法に加え、関節炎合併、重症例については免疫抑制剤や免疫調節薬の内服治療も行っています。また、生物学的製剤(抗TNFα製剤等)についても対応しています。
薬疹
薬によってもたらされる皮膚障害の総称ですが、治療はもとより、被偽薬の精査を行います。被疑薬の同定には、免疫学の知識も必要でプロの目が必要なケースが少なくありません。薬疹の入院治療を受け入れています。
アナフィラキシー
アレルゲンの精査を行っています。エピペンの処方も可能です。
好中球性・好酸球性皮膚症
まれな疾患ですが、壊疽性膿皮症、好酸球増多症の精査加療を行っています。経験症例は豊富です。
肉芽腫性皮膚疾患
比較的まれな疾患ですが、中でもサルコイドーシス、環状肉芽腫等の診断治療を行っています。