外科
ご挨拶
消化器センター長・教授 利野 靖
2024年4月より国際医療福祉大学熱海病院外科に着任いたしました。新体制の下、スタッフ一同、熱意を持って日々の診療に取り組んでおります。
当科では、食道がん、胃がん、大腸がんなどの消化器がんに対する低侵襲手術(腹腔鏡・縦隔鏡手術)を治療の柱として、患者様の身体への負担が少なく、かつ根治性を追求した外科医療の提供をめざしています。また、胆石症や鼠径ヘルニアといった良性疾患、虫垂炎や腸閉塞などの救急疾患にも迅速かつ的確に対応できる体制を整えております。
豊かな自然に恵まれた素晴らしい熱海市で、地域医療の中核を担う大学病院として、市民の皆様はもちろん、この地を訪れる方々にも安心していただける医療を提供することが我々の使命です。小田原から沼津、伊豆半島、そして伊豆諸島に至る広域の医療ニーズにも応え、地域医療の発展に貢献してまいります。
お身体のことでお悩みの際は、どうぞお気軽に当科にご相談ください。
診療科の特色
- 1.経験豊富な専門医による専門的なチーム医療
- 消化器外科領域をリードしてきた指導医・専門医が複数在籍しています。特に食道がんや大腸がんの治療においては、豊富な症例経験を持つ医師が専門的な診療にあたります。 それぞれの専門性を生かし、カンファレンスを通じて密に連携し、患者様一人ひとりにとって最適な治療方針を決定します。
- 2.身体への負担が少ない腹腔鏡・縦隔鏡手術の積極的な導入
- 消化器がん(食道・胃・大腸)や胆石症、鼠径ヘルニアなどの多くの手術を、小さな傷で済む腹腔鏡・縦隔鏡下で行っています。これにより、術後の痛みが少なく、早期の社会復帰が可能となります。
- 3.地域の中核病院として24時間体制の救急医療に対応
- 熱海市内外の救急要請に24時間365日対応しています。特に旅行者にも多い急性虫垂炎、消化管穿孔、腸閉塞といった緊急手術が必要な疾患に対して、迅速に診断・治療を行える体制を構築しています。
- 4.がんに対する集学的治療の実践
- 進行したがんに対しては、手術だけでなく、抗がん剤による化学療法や放射線治療などを組み合わせた集学的治療を、関連各科と連携して行います。当院は地域がん診療病院として、地域の拠点病院とも連携し、 根治をめざすとともに、患者様の生活の質(QOL: Quality of Life)を保つことを重視した治療を提案します。
- 5.働き方改革に対応した医療提供体制の推進
- 医師の働き方改革に積極的に対応するため、朝夕のチーム回診や、個人情報に配慮した情報共有システムを導入し、主治医制ではなくチーム制による効率的なチーム医療を実践しています。これにより、医師の負担を軽減しつつ、患者様への安定した医療提供体制を構築しています。
対象疾患
上部消化管
食道がん、胃がん、胃GIST(消化管間質腫瘍)、逆流性食道炎 など
下部消化管
大腸がん(結腸がん・直腸がん)、虫垂炎、腸閉塞、大腸憩室炎 など。内痔核をはじめとする肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)、直腸脱についても、大腸肛門病専門医の指導のもと専門的な治療を行っています。
肝胆膵
肝臓がん、胆嚢がん、膵臓がん、胆石症、胆嚢ポリープ など
ヘルニア
当科では、ヘルニアに対して専門性の高い治療を提供しています。四谷メディカルキューブに在籍する今村清隆医師(日本ヘルニア学会評議員、日本内視鏡外科学会技術認定医)の指導のもと、国内外の先進的な知見を積極的に取り入れた治療を実践しています。特に複雑な腹壁瘢痕ヘルニア(過去の手術の傷跡部分に生じるヘルニア)に対しては、腹腔鏡手術(eTEP法)を行っており、これは静岡県内でも実施施設が数少ない先進的な術式の一つです。
対象疾患:鼠径ヘルニア(脱腸)、腹壁瘢痕ヘルニア など
甲状腺疾患
元神奈川県立がんセンター内分泌外科部長の岩崎博幸医師を招聘し、専門性の高い診療・手術を行っています。岩崎医師は日本外科学会(専門医・指導医)、日本内分泌外科学会(専門医・指導医)、日本甲状腺学会(専門医)の資格を持ち、この領域で豊富な経験を有しています。
乳腺疾患
非常勤医師による外来診療を行っております。(現在、手術は行っておりません)
緊急疾患(Acute Care Surgeryを含む)
消化管穿孔、急性腹膜炎、ヘルニア嵌頓、腹部外傷 など
臨床研究へのご協力のお願い(オプトアウトについて)
当科では、医療の質の向上および新しい治療法の開発などを目的とした臨床研究を実施しております。その際、診療の過程で得られた患者様の情報(カルテ情報、検査データ、画像など)を利用させていただくことがあります。
研究にあたっては、お名前や住所など個人が特定できる情報はすべて削除し、プライバシーの保護には細心の注意を払います。
ご自身の情報を研究に利用することを希望されない場合は、いつでも拒否することができますので、その旨を担当医までお申し出ください。お申し出いただいた場合でも、患者様が今後の診療においていかなる不利益を受けることは一切ありません。