泌尿器科
当科は、副腎、腎臓、腎盂・尿管、膀胱、尿道、前立腺、陰茎、精巣といった尿路臓器および男性生殖器疾患の診断、治療を行っています。
前立腺肥大症に対する術式として、経尿道的前立腺切除術(TUR-P)にかわり、標準化されつつあるホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)を導入し、従来のTUR-Pで行うことの難しかった100gを超えるような高度の前立腺肥大に対しても安全に内視鏡手術が行えるようになりました。一方、軽度の前立腺肥大症に対しては、従来の治療よりも手術合併症である射精機能障害が生じにくく、早期の症状緩和が期待出来る、最新の植え込み型前立腺組織牽引システム(UroLift®2システム)を2023年より導入しています。
上部尿路(腎・尿管)結石に対しては、従来の低侵襲治療である体外衝撃波結石破砕術(ESWL)ばかりでなく、ホルミウムレーザーと軟性腎盂尿管電子スコープを用いた経尿道的腎盂尿管砕石術(f-TUL)を導入し、ESWLのみでは治療困難な腎結石や上部尿管結石に対しても、速やかな結石除去を目指しています。
泌尿器悪性腫瘍(がん)に対しては、低侵襲で標準術式となっている腹腔鏡下手術および、開腹手術にかわる低侵襲手術である腹腔鏡下小切開(ミニマム創)手術を積極的に取り入れています。前立腺がんが疑われるときに行う、前立腺針生検は、一泊入院、局所麻酔下に行っています。また、2017年より、骨転移のある去勢抵抗性前立腺がんに対するRI(ラジウム223)内用療法を行っています。
新たな前立腺肥大症の低侵襲治療
新たに当院では、前立腺肥大症に伴う排尿障害に適応される植込み型前立腺組織牽引システムの治療ができるようになりました。
経尿道的に標的とする
閉塞部位まで挿入します。
介して留置される小型のインプラントによって、
閉塞の原因となっている左右の前立腺葉を圧迫し、
牽引します。
システムによる治療は、閉塞した尿道を再拡大することにより、
迅速で信頼性の高い症状の緩和を提供します。
デリバリーシステムにはインプラント1個が装填されており、ひとりの患者様に対して通常4~6個のインプラントを留置します※1。
※1 Roehrborn, J Urology 2013 LIFT Study
再現性の高い持続的な効果
患者様の良好な回復と持続的な治療効果が認められています。
個々の症例の結果は異なる可能性があります。
側葉肥大及び中葉肥大を含め、前立腺体積が100ccまでの男性に適応となります。
植込み型前立腺組織牽引システムによる治療後に期待できること
- 早期の症状緩和と回復が得られています※1,※2
- 術後射精機能障害または勃起障害は、一過性の症状があっても消失し、新規発症はありませんでした※2
- これまでの前立腺肥大症の治療の中でも術後カテーテル挿入率が低いです※3
- これまでの前立腺肥大症の治療の中でも前立腺の組織に壊滅的な損傷を与える可能性が低いです
- ※1 Roehrborn, J Urology 2013
- ※2 Shore, Can J Urol 2014
- ※3 Shore Can J Urol 2014
外国製造医療機器等特例承認取得者:NeoTract, Inc.
選任製造販売業者:テレフレックスメディカルジャパン株式会社
販売名:UroLift システム
承認番号:23000BZI00038000
MCI-2022-0015
植込み型前立腺組織牽引システム治療の紹介動画
ホルミウムレーザー前立腺核出手術(HoLEP)について
従来の標準的手術法である経尿道的前立腺切除術(TUR-P)は、尿道から内視鏡を挿入し、内視鏡の先端に装着した切除ループに電流を流し(電気メスと同じ)、肥大した前立腺組織をを尿道側から切除する方法です。“かんなで木を削る”ように、肥大した前立腺(内腺)を少しずつ切除します。それに対し、新しい手術法であるホルミウムレーザー前立腺核出手術(HoLEP)は、レーザーを用いて、血管の少ないところを切ってゆき、完全にくり抜くように前立腺肥大組織を切除します。出血が極めて少なく、従来の経尿道的前立腺切除術(TUR-P)で実施できない100gを超えるような大きな前立腺肥大症に対しても安全に施行可能で、手術可能となる症例の幅が大きく拡がりました。
手術実績
術 式 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
副腎(後腹膜腫瘍)摘除術(開腹) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
副腎(後腹膜腫瘍)摘除術(ミニマム創) | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
副腎(後腹膜腫瘍)摘除術(腹腔鏡) | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 |
腎部分切除術(ミニマム創) | 4 | 5 | 4 | 2 | 9 | 3 | 1 | 4 |
根治的腎摘除術(開腹) | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 |
根治的腎摘除術(ミニマム創) | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
根治的腎摘除術(腹腔鏡) | 3 | 5 | 5 | 4 | 6 | 2 | 3 | 4 |
腎尿管全摘膀胱部分切除術(開腹) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
腎尿管全摘膀胱部分切除術(ミニマム創) | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
腎尿管全摘膀胱部分切除術(腹腔鏡) | 3 | 4 | 1 | 1 | 6 | 3 | 6 | 4 |
腎盂形成術(ミニマム創) | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
経皮的腎・尿管砕石術(ECIRS, PNL) | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
体外衝撃波砕石術(ESWL) | 62 | 75 | 30 | 33 | 36 | 60 | 41 | 86 |
経尿道的腎尿管砕石術(f-TUL, r-TUL) | 55 | 86 | 67 | 62 | 62 | 79 | 49 | 37 |
膀胱全摘除術(開腹) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
膀胱全摘除術(ミニマム創) | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 |
尿管皮膚瘻造設術(膀胱全摘除術を伴うもの) | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
回腸(結腸)導管造設術(膀胱全摘除術を伴うもの) | 2 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 |
経尿道的膀胱腫瘍切除術 (TUR-BT) | 63 | 76 | 72 | 69 | 70 | 81 | 66 | 52 |
精巣摘出術 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
高位精巣摘出術 | 1 | 3 | 1 | 3 | 1 | 2 | 2 | 3 |
尿道吊上げ術 (UroLift) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
経尿道的前立腺切除術(TUR-P) | 21 | 21 | 13 | 13 | 11 | 4 | 7 | 1 |
経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP) | 56 | 80 | 56 | 48 | 33 | 42 | 31 | 28 |
前立腺全摘除術(ミニマム創) | 10 | 11 | 19 | 12 | 10 | 15 | 8 | 4 |
その他 | 105 | 98 | 101 | 123 | 131 | 128 | 77 | 135 |
計 (ESWLを除く) | 333 | 386 | 342 | 338 | 342 | 364 | 312 | 278 |
経直腸的前立腺針生検 | 98 | 113 | 110 | 121 | 70 | 114 | 77 | 78 |
外来医師担当表
曜日 | 午前 | 午後 |
---|---|---|
月 | 石井 淳一郎 奥田 知史 |
★石井 淳一郎 ★奥田 知史 |
火 | 石井 淳一郎 奥田 知史 |
★石井 淳一郎 ★奥田 知史 |
水 | 村上 泰清 | ― |
木 | 坂田 裕介 勝又 洋樹 |
★坂田 裕介 ★勝又 洋樹 |
金 | 坂田 裕介 村木 敏郎 |
★坂田 裕介 ★村木 敏郎 |
土 | ★予約制 | ― |
- 【特記事項】
- ※ 外来が変更になる場合がございますので、お電話にてご確認のうえご来院ください。
- ※ ★印は予約制となっております。
- ※ 当日受診希望の方は必ず事前の連絡をお願いします。
- ※ 月曜日・水曜日・金曜日の午後は手術もあり、対応可能な場合のみ診察を行いますので、お電話にてご確認ください。
ご予約・お問い合わせ
電話0557‐81‐9171(代表)
※外来診療時間内にお問い合わせください。
※予約変更は、14:00~17:00にお問い合わせください。